DTM沼の話
私が本格的にDTM沼に嵌ったのはちょうど5年ぐらい前です.それ以前はWindowsのノートPCで無料ソフトウェアのMusic Studio Producer(MSP)というDAW(と呼べるかはだいぶ怪しい)を使っていました.
MSPはだいぶ無料にしてはだいぶ高性能で,音源はしょぼいですがシーケンサーとしてはかなり有能でした.高校生の時にこのソフトに出会ってDTMの端緒を掴んだと言っても過言ではありません.
前日譚
高校時代Youtuberの瀬戸弘司さんの動画をよく見ていた影響でMacへの憧れを非常に強く持っており,大学生になる時にMacbook Airを買ってもらいました.

当時は洗練されたUIやスタイリッシュな外観に深く魅了されていましたが,今となって考えると少し浅い気もします.Macには無料でかなり有能なGarage BandというDAWが入っており,大学生になって友達と組んだバンドで演奏する曲をGarege Bandでよく作っていました.音源がとても優秀なのでリファレンスにしてはかなり出来が良く,作った音源をバンド仲間と共有して聴き比べたりしていました.
大学2,3年ぐらいのとき,ある友人に誘われて受験生支援Webサイトの開発に参加させてもらう中で「開発するならMacbook AirよりMacbook Proのほうが良いよ」という先輩の声を聴いて,Macbook Proを購入しました.

ゴリゴリにカスタマイズしたので26万円ぐらいになりました.24回払いのローンを組んでなんとか買いました.M1になってローンを払い終えたときは謎の達成感がありましたがそれはまた別のお話です.
Cubaseとの出会い
自分がDTMを本格的に始めたのは大学2年生の秋です.当時組んでいたバンドが学園祭でライブをやることになり,その同期音源を作るためにCubaseを買ったのがすべての始まりです.もともと音楽を本格的に作りたいなと思っていた時にバンドの同期音源を作るタスクを任命されたので,これは時が来たと感じて元から目をつけていたCubaseを買いました.学生料金で4万円ぐらいだったと思います.涙を流しながらカードを切りました.

同期音源を作る中で女声のコーラスを入れなければならない,ということになり,Vocaloid Editor for Cubase(ボカキュー)と初音ミクを買いました.ここからボカロ楽曲の制作も始まっていくわけですが,それもまた別の機会にお話できたら良いかと思います.
とにかく,Cubaseを買ったことによって私のDTM人生が始まり,生きる理由,働く理由がここで決定されてしまったのです.
楽器を始める
Cubaseを買って曲を作るようになったものの,やはり自分の作りたい音楽がロックに寄っていたこともあって,内臓の音源ではいまいち納得できないというか,明らかにソフト音源の音だなーという感じを拭うことが出来ないという状況に直面し,重い腰を上げて大学3年生のクリスマスにギターを買いました.
それ以前は友人のギターを借りて録音したこともあり,そのときにはすでにSteinbergのUR22mkIIというオーディオ・インターフェースも手に入れていました.

ここらへんでもうお金をかければ高品位の曲を作れるようになるというDTM沼の真理に到達しており,この頃から作曲系のガジェットにこり始めることになります.
ソフトに手を出す
ギターを買った1年後,今度はベースも音源では満足できなくなり,これまた4年生のクリスマスにジャズベを買いました.

ここまで揃えてやっと,当時の自分の中で納得できるクオリティの楽曲を作ることができるようになり,この機材とともにしばらく制作を続けていました.しかしながら,やはりクオリティを突き詰めて行くと物足りなさはどこまでも私の背後を影のようにつきまとい,その声に押されて私はソフトウェアに手を出し始めます.
ここらへんの時期に買った順番はあまり覚えていませんが
- Native Instruments - KOMPLETE SELECT
- ARIA - GARRITAN WORLD INSTRUMENTS
- Steinberg - Groove Agent
を買ってます.
KOMPLETE SELECTは正直なんで買ったのか全然覚えてない(確かDrum LabかGuitar Rig欲しさに買ったんだっけ?)ですが,ARIAとGroove Agentはバンドリの2次創作楽曲を作るために買ったのを覚えています.Groove Agentはドラム音源で,Cubaseに元から入っている Groove Agent SEの有料版です.GARRITANはその名の通り世界の楽器の音源ですが,これはかなりクセが強くて,ちゃんとエフェクトを掛けないと使い物にならないような代物で,丸山彩ちゃん音頭を作るために買ってから一度も使ってません.この3つだとGARRITANが一番高くて1.7万とか,それ以外が1万ちょいです.
加えて,M1のときのサークルの追いコンで先輩の作曲した曲を自分が編曲して,先輩のボーカルを入れて楽曲を制作するというプロジェクトが立ち上がり,そのためにコンデンサーマイクも購入しました.

マイクを買ったことにより,それまでボーカルを探したりボカロに歌わせたりしていたのを,今度は「自分が歌う」という風に考えるようになり,そこから現在の自分の音楽がスタートしていきます.

自分の音楽を支える2つのソフトウェア
もし自分が自分で歌う曲を作るならそれはパンクもしくはメロコアよりの曲になるだろう,ということをおぼろげながら考えるようになります.当時そういう曲ばかり聴いていたというのもありますが,自分がアコギ弾き語りとかエレクトロとかを細い声で歌うのが全く想像できず,自分の声質には合わないだろうなーと思っていました.(たぶん今もそう)
そうなってくると,ドラムはGroove Agentでは物足りず,ギターとベースもCubase内臓のアンプシミュレータでは迫力がないことに気付きます.そして,現在でも私の曲作りを支える2つのソフトウェアに辿り着くわけです.それがAddictive Drums 2とBIAS FX 2です.
Addictive Drumsはドラム音源です.日本のポップスや普通のロックサウンドではかなり使われているソフトらしく,平凡を求めるのであれば悪くない選択(良い選択というわけではないらしい)とのことだったので,これにしました.これには色々とバンドルがあるのですが,私はまず「3つ好きなセットを選べる」というバンドルを買いました.そこで私は
- Fairfox Vol. 2
- Studio Rock
- Black Velvet
の3つを選択しました.まぁRockということでStudio Rockを選ぶのは決めてましたが,残り2つはサンプル音源を聴いて気に入ったやつを選びました.最初に入れてみて,やっぱりスネアとバスドラの迫力がぜんぜん違うなーと感じました.操作性もカスタマイズしやすさも,そしてそもそもの音源のクオリティも非常に満足の行くものです.
そしてもう一つのBIAS FX 2はソフトウェア・アンプシミュレータです.ギターのトラックにインサートして使うFXですね.こちらも非常に高品位で,アンプやペダル(エフェクター)も豊富に入っているので簡単にカッコいい音を作ることができるようになりました.ただ,"すげーカッコいい音"を作るのはとても難しいです.今でも苦労しています.
この2つのソフトウェアと出会って私の音楽は40点から80点まで上がったと言っても過言ではないくらい,このソフトに頼る部分は大きいです.今でもうまく使いこなせているかは分かりませんが,このソフトがないと満足の行く音源は絶対に(少なくともロックサウンドは)作れないなーと思うぐらいです.
音圧戦争とミックス沼
さて,DTMで曲を作っている人には定番の音圧戦争について少しお話したいと思います.音圧戦争とはその名の通り音圧をいかに稼ぐかという戦いです.DTMをやったことがある人ならわかると思いますが,一生懸命トラックを作って良い出来だ!と思って2mixにバウンスして聞いてみると,「なんか音が小さいな…」となったことがある人が多いと思います.これはDTMあるある中のあるあるで,それはミックスという作業をやっていないからなのです.
本来DTMで曲を作るのは主にトラックメイキングのことを指すと思います.実はそこからミックスとマスタリングという作業を経てやっと一人前の音源に仕上がるのですが,DTM初心者だとそのことを知らずに物足りない思いをする人が多いと思います.自分もそうでした.
そして,そのミックスという作業をやらねばならないということを知ってからDTMerはミックス沼にハマるのです.DTMという深い深い沼の中に更にミックスという底なしの深淵が潜んでいるのです.引き返すなら今のうちですよ!!
音圧戦争自体については別の記事で書くとして,ミックス沼にハマった人間が最初にする行動はWavesのプラグインを買うことです.バンドルを買う前にちょこちょこと買ったりしていましたが,最終的にWaves Horizonを買いました.
それまではCubase付属のCompとかEQとかを頑張って使ってミックスしていましたが,Wavesを使いだしてからクオリティと作業効率がまぁまぁアップしました.ちなみにミックス沼にハマった人間がWavesのプラグインを買ったあとにする行動は,そのプラグインの解説動画をSleepfreaksのYoutubeで見るというものです.Sleepfreaksさんいつもありがとうございます.
そしてマスタリングを楽したいという思いからiZotope Ozone 9も買いました.
これはAIが波形を読み取って自動的にマスタリングのFXチェーンを組んでくれるというもので,自分みたいなマスタリングクソ雑魚勢にはとても助かる便利なソフトウェアです.
そして最後に,一番最近買ったソフトを紹介します.それがFabfilter Essentials Bundleです.
自分はこういうソフトを買うときは大体一番いいやつを頑張って買うのですが,今回は欲しかったのがEQとReverbだけだったので,最低限それが入っているバンドルでいいやと思いEssentials Bundleにしました.本当はサチュレーターも入ってるFX Bundleにしたかったのですが,高くてちょっと手が出なかったです.
現在地
今の自分の作業環境はこんな感じです.

Macbook Pro2015はMacbook Pro2020に変わり,モニターが増え,オーディオ・インターフェースはUR44Cに代替わりし,トラックボールとBluetoothキーボードを使い,コンデンサーマイクもAT4040に進化し,ヘッドホンもATH-M50xを使い…などなど,大幅に進化を遂げています.CubaseもCubase Pro 10.5にアップグレードしました.
ガジェットはすべて音楽のため,ソフトももちろん音楽のため.すべてはよりよい音源を作るためにカスタマイズされてきました.自分のバイト代や奨学金はほとんどがDTMのために消えていき,残った僅かなお金でごつ盛り塩焼きそばを食べる毎日です.
だけど私は声にマキシマイザーをかけて言いたい.私は今,幸せであると.
傍から聞けばその声がクリッピングしていたとしても,耳を劈くピーキーサウンドであったとしても,音楽にすべてをかけている今,だふやふはとても幸せです.
直接DTMに関わることだけでいうと
- Cubase Pro 8 (4.2) → 10.5 (1.8)
- Groove Agent 4 (1.1)
- Addictive Drums (1.0)
- BIAS FX 2 Elite (1.2)
- GARRITAN WORLD INSTRUMENTS (1.7)
- KOMPLETE SELECT 11 → 13 (5弱)
- Waves Horizon (3.3)
- Waves バラ買い (1.0)
- Fabfilter Essentials Bundle (2.4)
- Massive Presets / One-shotsなど (1.0)
- Ozone 9 (2.7)
- ボカキュー (1.2)
- 初音ミクV3 (1.8)
- 結月ゆかり凛 (0.8)
- Audio I/F: UR22mkII (1.6) → UR44C (3.4)
- Guitar: Gibson Les paul (7.6)
- Bass: FGN (3.2)
- Mic: AT2020 (1.0) → AT4040 (3.2)
- Headphone: ATH-M50x (1.9)
あとシールドとかピックとか教則本とか細々とした雑費も含めると60ぐらい行きます.
でも多分まだこれ少ないほうだろうな……これからも増え続けるだろうし.無常を感じる.
